ナツメグ (Nutmeg)

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概要

ナツメグ(Myristica fragrans)は、インドネシアのバンダ諸島を原産とする常緑樹から得られるスパイスです。種子からはナツメグ、種子を覆う仮種皮からはメースが得られます。この樹木は現在、マレーシアやカリブ海地域などの熱帯地域でも栽培されています。ナツメグは伝統的に料理や一部の薬用用途で使用されていますが、高用量での使用には注意が必要です。


安全性

  • 経口:

    • 一般食品レベル:
      • 食品に含まれる量であれば安全と見なされています(GRAS認定)。
    • 高用量:
      • 可能性のある危険性: 1回120 mg以上の用量、または慢性的な使用は精神病エピソードや幻覚を引き起こすことがあります。
      • 5-80グラムの摂取で、中毒症状(吐き気、動悸、幻覚など)が報告されています。
  • 外用:

    • 信頼できる情報が不足しており、安全性は不明です。
  • 妊娠・授乳中:

    • 妊娠中:
      • 食品レベルでは安全と考えられていますが、薬用量では流産誘発の可能性があるため避けてください。
    • 授乳中:
      • 食品レベルでは安全と考えられていますが、薬用量については情報が不足しているため避けてください。

副作用

  • 一般的な副作用:

    • 通常の食品量では一般的に良好に耐えられますが、高用量では以下のような副作用が報告されています。
      • 経口: 吐き気、口の渇き、めまい、動悸、精神症状(例: 幻覚)。
      • 外用: 一部の人に接触性皮膚炎を引き起こす可能性があります。
  • 深刻な副作用:

    • 心臓血管系、消化器系、神経系、精神症状が含まれ、まれに致命的な中毒事例も報告されています。

有効性

信頼できる臨床データが不足しているため、以下の使用における有効性は不明です:

  • 下痢:
    • 伝統的に使用されているものの、臨床効果を支持する十分な証拠はありません。
  • 口臭:
    • 臨床効果について信頼できる情報が不足しています。

さらなる研究が必要です。


用法・用量

  • 成人:

    • 研究が限られており、標準的な用量は確立されていません。
  • 外用:

    • 研究が限られており、標準的な用量は確立されていません。

成分と作用機序

  • 主要成分:
    • マイリスチン(myristicin)、エレミシン(elemicin)、サフロール(safrole)、オイゲノール(eugenol)など。
  • 薬理作用:
    • 鎮痛作用:
      • 炎症酵素COX-2の抑制による可能性。
    • 抗がん作用:
      • 一部の試験管研究で、アポトーシス(細胞死)誘導効果が示唆されています。
    • 抗炎症作用:
      • 動物モデルや試験管研究で抗炎症効果が確認されています。
    • 抗菌作用:
      • 歯科用途に特に注目されており、試験管研究で抗菌および抗真菌効果が示されています。
    • 中枢神経作用:
      • 精神活性物質としての使用は報告されていますが、安全性と倫理的観点から推奨されません。

相互作用

  • 薬物:

    • 中枢神経抑制剤: 鎮静効果を増強する可能性。
    • CYP1A2/3A4基質薬物: 代謝を減少させる可能性がある。
    • フェノバルビタール: 効果と副作用を増強または減少させる可能性。
  • サプリメント:

    • 鎮静作用を持つサプリメント: 理論的に相加的な鎮静効果のリスクあり。

注意事項

ナツメグは一般的な食品スパイスとして安全に使用できますが、高用量での摂取は重大な健康リスクを伴います。特に、レクリエーション目的での乱用は避け、医師や専門家に相談することを推奨します。


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