ペリリルアルコール(Perillyl Alcohol)
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学名:
Perillyl Alcohol
概要
ペリリルアルコールは、複数の植物の精油から分離されるモノテルペンです。主な供給源には、サクランボ、ラベンダー、レモングラス、セージ、ペパーミント、セリ種子、ジンジャーグラス、キャラウェイ、シソなどがあります(15275, 98636)。
利用目的
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経口:
- 癌(肺癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、膵臓癌、脳腫瘍など)や治療抵抗性癌の治療。
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外用:
- 蚊除け、光線角化症、皮膚癌予防。
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経鼻:
- 脳腫瘍治療。
安全性
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おそらく安全:
- 経口: 医療監視下で適切に使用した場合、安全に使用された例があります(15274, 15277)。ただし、副作用があるため、自己治療には適していません。
- 経鼻: 最大1年間、0.3% v/v(55 mg)または96-288 mgを1日4回使用した場合、安全性が示されています(98635, 106535)。
- 外用: 0.76%を含むクリームを1日2回、30日間使用しても安全とされています(98636)。
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妊娠・授乳: 情報が不足しているため、使用を避けるべきです。
副作用
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一般的な副作用:
- 経口: 胃腸障害(吐き気、下痢、便秘など)、疲労、頭痛(15274, 98638)。
- 外用: 軽い発疹や圧痛が報告されています(98636)。
- 経鼻: 鼻の痛み、かゆみ、鼻水、皮膚の刺激、頭痛(106535)。
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まれな重篤な副作用:
- 高用量では、急性膵炎、ビリルビン値の上昇、白血球数の増加、低カリウム血症が報告されています(15274, 68714)。
有効性
信頼できる十分な情報がない:
以下の疾患に対して使用されていますが、有効性の評価に信頼できるデータは不足しています。
- 光線角化症: 初期研究では改善が認められていません(98634)。
- 脳腫瘍: 経鼻投与での進行抑制や生存率向上の可能性が示唆されていますが、比較群がないため信頼性に限界があります(98635, 106535)。
- 乳癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌: 初期研究では効果が確認されていません(15284, 68709, 98639)。
投与と用量
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成人:
- 経鼻: 脳腫瘍では、0.3% v/v(55 mg)を1日4回、6か月間使用した例があります(98635)。
相互作用
- 薬剤: 現在、ペリリルアルコールの薬物相互作用は報告されていません。
- サプリメント: 特に知られていません。
作用機序
主な作用:
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抗癌作用:
- ラットや細胞モデルで肝臓癌、肺癌、大腸癌などの細胞増殖を抑制する可能性があります(15274, 98640)。
- Ras タンパク質の合成抑制やアポトーシス誘導が示唆されています(15274, 98635)。
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抗炎症作用:
- 動物モデルで炎症性サイトカインの減少や抗酸化酵素の増加が確認されています(112069)。
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抗酸化作用:
- 酸化ストレスマーカーを低下させる可能性があります(112069)。
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神経保護作用:
- Parkinson 病やアルツハイマー病モデルで神経保護効果を示唆する研究があります(98640, 112071)。
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虫除け作用:
- 一部の精油に含まれる成分として有効性が示されています(15278)。
分類
- 抗癌剤候補物質
- 抗炎症剤
- 抗酸化剤
- 神経保護剤
References
See Monograph References
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- Tags: サプリメント