ニコチンアミドリボシド(Nicotinamide Riboside )

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概要

ニコチンアミドリボシドはビタミンB3ファミリー(ナイアシン、ナイアシンアミドを含む)の一員であり、体内でニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)に変換されます。NAD+は、細胞内プロセスにおいて重要な役割を果たします。1951年、RowenとKornbergによりNAD+の前駆体として初めて特定されました。


安全性

  • 可能な限り安全

    • 成人: 1日300 mg以下の摂取量で、適切に使用された場合(例: ヨーロッパ食品安全機関による基準)。
    • 妊娠・授乳中: 1日230 mg以下での摂取は安全とされています。
  • 副作用

    • 一般的に良好に耐えられるとされています。
    • 最も一般的な副作用:
      • 腹部膨満感、筋肉痛、吐き気、かゆみ、多汗、便通の一時的変化。

有効性

十分な証拠が不足している用途

  1. 加齢黄斑変性症 (AMD)
  2. アルツハイマー病
  3. 小脳失調症-毛細血管拡張症
  4. 糖尿病
  5. 心不全
  6. 高脂血症
  7. 高血圧
  8. 非アルコール性脂肪肝疾患 (NAFLD)
  9. 肥満
  10. パーキンソン病
  11. 加齢に伴う体力低下

用法・用量

成人

  • 研究は限定的で、標準的な投与量は確立されていません。
  • 市販製品「Niagen(ChromaDex)」は臨床試験で使用されています(1日1,000 mgを12週間まで)。

相互作用

薬物との相互作用

  • 降圧薬: 降圧効果が相加的になる可能性あり。

サプリメントとの相互作用

  • 降圧効果を持つハーブやサプリメント: 同様の効果が増強される可能性があります。

作用機序

ニコチンアミドリボシドはビタミンB3の一種で、NAD+の前駆体です。NAD+は、細胞の代謝やエネルギー生成、DNA修復、抗酸化プロセスにおいて重要な役割を果たします。加齢に伴うNAD+の減少は多くの老化関連疾患に寄与するとされており、ニコチンアミドリボシドを補充することでNAD+レベルを回復させることが期待されています。


研究からの知見

抗酸化作用

  • マウス研究では、酸化ストレスの軽減や臓器損傷の防止が報告されています。

心血管作用

  • 動物モデルでは、心筋組織でのNAD+レベルを安定させ、心不全の進行を遅らせる可能性が示唆されています。

代謝効果

  • 一部の研究では、糖尿病や肥満に対する有効性が示唆されていますが、結果は一貫していません。

神経保護効果

  • 動物研究では、認知機能の低下を遅らせたり、アルツハイマー病モデルにおける脳の変性を抑制する効果が示唆されています。

注意事項

  • 1,000 mgを超える高用量の摂取については、安全性データが不足しています。
  • 降圧薬を服用中の場合、医師に相談してください。

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