タマネギ・オニオン(Onion (Allium cepa))

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概要

タマネギは、世界中で栽培される植物で、主に球根部分が食品として利用されています。また、タマネギ抽出物やタマネギエキスは、時折医薬品としても使用されます (7, 51345, 95148)。


安全性

  • おそらく安全:

    • 経口摂取:食品として一般的な量で使用する場合。アメリカではGRAS(一般に安全と認められている)ステータスが付与されています (4912)。
    • 局所使用:タマネギ抽出物が含まれる製品が安全に使用されています (66742, 66883, 66895, 66903, 67089, 95151, 95154, 95156)。
    • サプリメント:タマネギ抽出物を300mgを1日3回、12週間まで摂取する研究で安全性が確認されています (95149, 101747)。
  • 妊娠および授乳中:
    食品に含まれる量で使用する場合は安全とされていますが、医療用量の使用は情報不足のため避けるべきです。


副作用

  • 一般的な副作用:

    • 経口使用:腹痛、胸やけ。
    • 局所使用:湿疹、刺激感。
  • 重大な副作用(まれ):
    アレルギー体質の人ではアナフィラキシー反応の可能性。


効果

おそらく効果がある

  • 瘢痕(きずあと)
    タマネギ抽出物を含む製品を10週間から6か月間局所使用することで、瘢痕の予防や改善に効果があるとされています。ただし、最も効果的な成分組み合わせや用量は不明です。

おそらく効果がない

  • 肥満
    食事やサプリメントとしてのタマネギの摂取は体重減少に効果がないことが示唆されています。

信頼できる証拠が不十分

以下の用途についてはさらなる研究が必要です:

  • アロペシア(脱毛症)
  • 胃がん予防
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 不眠症
  • 多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)
  • 前立腺がん予防
  • 呼吸器感染症

作用機序

  • 抗炎症作用:
    タマネギにはフラボノイド(例:ケルセチン)や硫黄化合物が含まれており、炎症を引き起こすシクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼを阻害することで、抗炎症効果を発揮します。

  • 抗糖尿病作用:
    動物実験およびヒト研究で、タマネギの摂取がインスリン分泌を刺激し、血糖値を低下させることが示されています (66767, 66806)。

  • 抗がん作用:
    タマネギに含まれる有機硫黄化合物とケルセチンが、DNA損傷の予防やがん細胞のアポトーシスを誘導する可能性が示唆されています。

  • 抗菌作用:
    グラム陰性および陽性菌、ならびに一部の真菌に対する抗菌効果が確認されています。

  • 瘢痕形成予防:
    タマネギ抽出物が炎症性サイトカインを低下させ、線維芽細胞の過剰増殖を抑制することで、瘢痕形成を予防する可能性があります。


使用法と投与量

  • 成人:

    • 経口:研究が限られており、標準的な投与量は不明。
    • 局所:タマネギ抽出物を含む製品を10週間から6か月間使用。
  • 小児:

    • 局所:研究が限られており、標準的な投与量は不明。

注意事項

  • 薬剤との相互作用:

    • 抗凝固薬や抗血小板薬との併用で出血リスクが増加する可能性あり。
    • 糖尿病薬との併用で低血糖のリスクが増加する可能性あり。
  • サプリメントとの相互作用:

    • 同様に、抗凝固作用や低血糖作用を持つハーブやサプリメントとの併用には注意が必要。

タマネギは多用途に利用されていますが、医療用途での使用には注意が必要です。特に既存の疾患や薬剤使用状況に応じて、医療専門家に相談することをお勧めします。

References

See Monograph References

 


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