エルゴット (Ergot)

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学名
Claviceps purpurea
宿主植物: ライ麦 (Secale cereale)
科名
Clavicipitaceae


概要

エルゴットはライ麦に最も一般的に発生する真菌感染です。この真菌はエルゴリンと呼ばれるアルカロイドを含み、さまざまな薬理効果や毒性を持ちます(11163)。


人々が使用する用途

経口での使用:
エルゴットは、産科や婦人科の状態に対して使用されることがあります。具体的には、出血、閉経期出血、月経過多症、不正出血(流産の前後)、胎盤の排出、後産期の短縮、子宮弛緩症などに用いられます。


安全性

危険(UNSAFE)

  • 経口摂取: 急性および慢性毒性のリスクがあるため危険とされています(11163,11164)。

妊娠・授乳中

  • 危険(UNSAFE): 毒性および死産のリスクがあるため使用を避けるべきです(11163,11164)。

副作用

一般的な副作用

  • 消化器系: 吐き気、腹痛。
  • 神経症状: 手足の筋肉痛、虚弱感、しびれや指先のチクチク感。
  • 急性過剰摂取時の症状: 吐き気、嘔吐、下痢、極度の渇き、冷感、皮膚のかゆみやチクチク感、脈拍の弱化、低血圧、ショック、混乱、発作、意識喪失、死亡(9)。

慢性毒性(エルゴティズム)

  • 一度の服用では稀ですが、短期間に累積的な摂取によって起こることがあります。循環障害に関連し、手足のしびれ、冷感、蒼白、またはチアノーゼが生じる場合があります。脈拍が感じられないこともあり、特に足趾に壊疽が発生することがあります(11163)。

痙攣型エルゴティズム

  • 痙攣、筋肉のけいれん、手足の強直、精神的混乱、視覚障害、発汗、発熱、筋肉の硬直などが含まれます。

有効性

エルゴットの有効性について信頼できる十分な情報はありません。


用法と投与

成人

  • 一般的な投与量はありません。

標準化と製剤

エルゴットの標準化について信頼できる情報は不足しています。


薬物との相互作用

  • CYP3A4阻害剤
     - エルゴタミン(エルゴットの成分)はCYP3A4の基質です。CYP3A4阻害剤との併用は毒性リスクを増加させる可能性があります(例: アミオダロン、クラリスロマイシン、リトナビルなど)。

  • セロトニン作動薬
     - セロトニン症候群や脳血管収縮性障害のリスクが増加する可能性があります。

  • 刺激薬
     - 血管収縮のリスクが増加する可能性があります。


作用機序

概要
エルゴットはライ麦(Secale cereale)や小麦(Triticum aestivum)などの草に発生する真菌で、エルゴタミンやエルゴノビンなどのアルカロイドを含みます(11163)。

心血管作用
一部のエルゴットアルカロイドはα-アドレナリン拮抗薬やセロトニン作動薬として作用し、血管収縮を引き起こします。

筋骨格作用
エルゴノビンは特に子宮平滑筋の収縮を引き起こします。

神経作用
セロトニンおよびドーパミン作動薬として作用します。


分類

  • セロトニン作動薬
  • 血管収縮薬

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