エルゴチオネイン (Ergothioneine)

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学名
S-alpha-carboxy-2,3-dihydro-N,N,N-trimethyl-thioxo-1H-imidazole-4-eth-anaminium hydroxide
科名
指定なし


概要

エルゴチオネインは自然に存在する硫黄含有アミノ酸で、特定の種類の真菌によってのみ合成されますが、植物や動物に蓄積されることがあります(48893,97669)。最初に1909年にライ麦のエルゴット菌から特定されました(97667,97668)。
主な食物源: キノコ、鶏や豚の肝臓、豚の腎臓、オートブラン、豆類。合成エルゴチオネインは、アルコールフリードリンク、ミルク、乳製品、シリアルバー、チョコレートなどの食品に添加されることもあります(111217)。


使用目的

経口: 肝障害、白内障、アルツハイマー病、糖尿病、心血管疾患(CVD)、冠状動脈疾患(CHD)のために使用されます。また、抗炎症剤と組み合わせて関節痛に用いられることがあります。

外用: シワ防止、肌の老化兆候軽減、光老化の抑制。


安全性

十分に安全 (LIKELY SAFE)

  • 食品中に含まれる量で経口摂取する場合。エルゴチオネインは米国で「一般的に安全と認められる (GRAS)」状態として分類されています(4912)。
  • 最大予想摂取量:
     - 乳児: 2.82 mg/kg/日
     - 幼児: 3.39 mg/kg/日
     - 成人: 1.31 mg/kg/日
  • 毒性が観察されない量(NOAEL)は、全年齢層で800 mg/kg/日(111217)。

妊娠・授乳中

  • 信頼できる十分な情報がないため、使用を避けるべきです。

副作用

一般的な副作用
報告されている副作用はありません。ただし、十分な安全性評価は行われていません。


有効性

不十分な証拠 (INSUFFICIENT RELIABLE EVIDENCE)

  • 冠状動脈疾患 (CHD): 観察研究では、エルゴチオネインの血中濃度が高い人はCHDや心血管死亡率、全体の死亡率が低いと関連付けられています(102097)。しかし、エルゴチオネインの摂取量増加がCHDのリスクを減らすかどうかは不明です。
  • 関節痛: 初期の研究では、特定の製品(ErgoFlex)に含まれるエルゴチオネイン500 mcgを含むカプセルを1日2回6週間服用することで、軽度から中等度の慢性関節痛に対してある程度の効果があることが示されています(97669)。しかし、この効果がエルゴチオネインによるものか、他の成分またはその組み合わせによるものかは不明です。

さらなる証拠が必要です。


投与と管理

成人

  • 研究が限られており、典型的な投与量は不明です。

薬物との相互作用

知られている相互作用はありません。


作用機序

一般:
エルゴチオネインは、硫黄含有のアミノ酸で、食品中でキノコや豆類などに多く含まれています。

抗酸化作用:

  • エルゴチオネインは、活性酸素種を効率的に除去し、脂質過酸化を抑制する能力を持っています(14848, 97667)。
  • 神経保護作用: アルツハイマー病や酸化ストレスによるDNA損傷を軽減する可能性があります。

抗炎症作用:

  • 動物研究では、エルゴチオネインが炎症マーカーや酸化ストレスを低下させることが示されています(14847, 97667)。

腎臓および肝臓への効果:

  • 糖尿病モデルで、腎臓や肝臓の肥大や損傷を減少させ、抗酸化酵素を増加させる効果があります(111214, 111215)。

分類

アミノ酸


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