イプリフラボン (Ipriflavone)
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学名:
7-イソプロポキシイソフラボン
注意:
Red Clover(赤クローバー)やSoy(大豆)については別途リストを参照してください。
概要
イプリフラボンは、大豆由来の化合物ダイゼインを原料として実験室で製造される合成イソフラボンです (431)。一部の国では骨粗鬆症の処方薬として使用されていますが、米国では栄養補助食品として分類されています (101219)。
使用目的
経口:
- 骨粗鬆症
- パジェット病
- 腎性骨異栄養症
- 食物アレルギー
- 脳卒中
- 筋肉増強剤としてボディビルダーにも使用されています。
安全性
安全と考えられる:
- 適切に経口使用した場合、最大3年間安全に使用可能です。ただし、6か月を超えて使用すると、一部の患者でリンパ球減少症(サブクリニカルリンパ球減少症)が発生する可能性があります (1196,104208)。
妊娠および授乳中:
- 信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。
副作用
一般:
経口使用で概ね良好に耐えられます。ただし、一部の患者では、上腹部痛、下痢、めまいが報告されています。また、6か月以上使用するとリンパ球減少症を引き起こす可能性があります (1196,104208)。
有効性
効果が期待される可能性が高い:
-
骨粗鬆症:
- 多くの臨床研究で、カルシウム(1日1,000 mg)と併用することで骨密度(BMD)の低下を防ぐ効果が示されています。
- 閉経後の成人では、イプリフラボンとカルシウムの併用により骨密度が増加することもあります (430,432,433,2171,2174,104208)。
- エストロゲンやビタミンDと併用することでさらに効果が期待できます。
-
パジェット病:
- イプリフラボン600~1,200 mgを1日30日間経口摂取することで、骨痛や血清アルカリホスファターゼ濃度、ヒドロキシプロリン/クレアチニン排泄量を減少させる可能性があります (2176)。
その他の用途に関する有効性については信頼できる情報が不足しています。
用量および投与方法
成人:
- 骨粗鬆症: 閉経後骨粗鬆症では、イプリフラボン200 mgを1日3回、カルシウム1,000 mgと併用 (2171,2174,104208)。
- パジェット病: 600~1,200 mgを1日分割で使用 (2176)。
薬物との相互作用
- CYP1A2基質薬物: イプリフラボンはCYP1A2を競合的に阻害するため、代謝が遅くなり薬物濃度が上昇する可能性があります (2178)。
- CYP2C9基質薬物: 同様にCYP2C9を阻害することで薬物代謝が遅くなり、濃度上昇や毒性リスクが増加する可能性があります (2178)。
- 免疫抑制剤: イプリフラボンが免疫機能に影響を与える可能性があるため、併用を避けることが推奨されます (1196)。
- テオフィリン: イプリフラボンがテオフィリン代謝を遅らせ、血中濃度を上昇させる可能性があります (2178,6604)。
過剰摂取
過剰摂取に関する信頼できる情報は不足しています。
薬理学的特性
-
骨作用:
イプリフラボンは骨芽細胞の機能を強化し、副甲状腺ホルモン(PTH)による骨吸収を抑制します。また、骨密度を維持し、骨形成速度を抑制せずに骨吸収を抑える効果があります (2173,2179,104208)。 -
免疫作用:
イプリフラボンは特定のアレルゲン刺激に対する好塩基球脱顆粒を抑制する可能性がありますが、経口摂取では影響が確認されていません (101219)。
References
See Monograph References
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- Tags: サプリメント