ビタミンB3, ナイアシン (Niacin)
Posted by リンクプロ on
学名
3-Pyridinecarboxylic Acid, Niacin, Nicotinic Acid
概要
ナイアシンはビタミンB3の一形態で、もう一つの形態はナイアシンアミド(ニコチンアミド)です。食品中や、特に酵母、肉、魚、牛乳、卵、緑色野菜、穀物に多く含まれます。また、タンパク質を含む食品(例:赤身肉、鶏肉、卵、乳製品)に含まれるトリプトファンは体内でナイアシンに変換されます(60 mgのトリプトファンは1 mgのナイアシンに相当します)。
安全性
-
成人:
おそらく安全 … 食品またはサプリメントを通じて摂取する場合で、耐容上限摂取量(UL)以下で使用する場合。成人のULは19歳以上で35 mg/日までです。 処方薬の場合: 適切に使用すれば最大2 g/日まで安全とされています。 -
妊娠・授乳中:
おそらく安全 … UL以下の量では安全。ただし、ULを超える高用量についての安全性情報は不十分なため、避けるべきです。
副作用
-
一般的な副作用:
経口摂取でよく見られる副作用には、皮膚紅潮(フラッシング)、消化器症状(腹痛、便秘、下痢、胸やけ、吐き気、嘔吐)、肝酵素の上昇が含まれます。 -
まれな重大な副作用:
肝毒性、筋症(筋肉の痛みや弱化)、血小板減少症、視力変化など。
有効性
有効性が認められる条件
-
脂質異常症(ディスリピデミア):
処方薬のナイアシン(500 mg以上)は、FDAで脂質異常症の治療に承認されています。 -
ペラグラ(ナイアシン欠乏症):
FDA承認の予防および治療薬として使用されます。
効果がある可能性がある条件
- HIV/AIDS関連脂質異常症: ナイアシンは脂質レベルを改善する可能性があります。
- メタボリックシンドローム: 脂質レベルの改善が期待されます。
効果がないとされる条件
- 心血管疾患(CVD): ナイアシンは心血管関連イベントの減少に寄与しないとされています。
用法・用量
成人
-
一般的な摂取基準(RDA):
成人男性は16 mg/日、成人女性は14 mg/日、妊娠中は18 mg/日、授乳中は17 mg/日。 -
処方薬の使用:
通常、1-2 g/日で使用されます。 -
注意点:
ナイアシン摂取時に熱い飲み物を同時に摂取すると、紅潮(フラッシング)のリスクが高まる可能性があります。
薬物との相互作用
- アルコール: フラッシングや肝毒性のリスクを増加させる可能性があります。
- 糖尿病薬: 血糖値を上昇させ、糖尿病薬の効果を低下させる可能性があります。
- 降圧薬: 理論的には低血圧のリスクを増加させる可能性があります。
- スタチン: 筋症や横紋筋融解症のリスクを増加させる可能性があります。
作用機序
-
一般:
ナイアシンは水溶性ビタミンで、体内でナイアシンアミドに変換され、酸化還元反応、ATP合成、ADPリボース転移反応に不可欠な補酵素であるNADおよびNADPの前駆体です。 -
脂質改善作用:
ナイアシンはトリグリセリドの合成を抑制し、脂肪組織からの遊離脂肪酸の放出を減少させます。さらに、肝臓でのLDLやVLDLの合成速度を低下させ、HDLの濃度を上昇させます。 -
抗炎症作用:
ナイアシンはプロスタグランジンの合成を抑制し、血管拡張と炎症抑制を促進します。
重要な注意事項
- 高用量のナイアシン使用には副作用のリスクがあるため、医師の監督下での使用が推奨されます。
- 食事からの摂取を基本とし、サプリメントは補助的に使用してください。
Share this post
- Tags: サプリメント