ナイアシンアミド / ニコチンアミド(Niacinamide )

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学名

Pyridine-3-carboxamide


概要

ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一形態で、ナイアシンのアミド誘導体です。ナイアシンは、体内で必要量を超えない量を摂取すると、ナイアシンアミドに変換されます。この2つの形態は、生理学的量では同じように機能します。


安全性

  • 成人:
    おそらく安全 … 処方製品やサプリメントとして適切な量で使用する場合(35 mg/日以下)。
    おそらく安全 … 30-900 mg/日の範囲で使用する場合。ヨーロッパ食品安全機関(EFSA)は900 mg/日を耐容上限摂取量(UL)としています。

  • 妊娠・授乳中:
    おそらく安全 … 30 mg/日以下での使用。ただし、高用量の安全性についてのデータが不足しているため避けるべきです。

  • 子供:
    おそらく安全 … 年齢に応じたUL以下の量で使用する場合(例:1-3歳は10 mg/日、4-8歳は15 mg/日)。


副作用

  • 一般的な副作用:
    経口摂取でのめまい、眠気、かゆみ、胃腸障害(腹痛、下痢など)、発疹。
    局所使用では、軽度の皮膚の灼熱感やかゆみ、皮膚炎。

有効性

効果が認められる条件

  1. ペラグラ(ビタミンB3欠乏症):
    ナイアシンアミドは、ペラグラやナイアシン欠乏症の治療に承認されています。

効果がある可能性がある条件

  1. ニキビ(局所使用): 軽度から中等度のニキビの改善が期待されます。
  2. 糖尿病(1型): 発症を予防することはできませんが、進行を遅らせる可能性があります。
  3. 高リン血症: 血中リン濃度を下げる補助療法として役立つ可能性があります。
  4. 非メラノーマ皮膚がん: 再発リスクを減少させる可能性があります。
  5. 変形性関節症: 高用量が症状を改善する可能性があります。

用法・用量

成人

  • 経口:
    ビタミンB3(ナイアシンおよびナイアシンアミド)のRDAは、男性16 mg NE/日、女性14 mg NE/日、妊娠中18 mg NE/日、授乳中17 mg NE/日。
  • 局所:
    ナイアシンアミドを含むクリームやジェルが利用されます。

子供

  • 経口:
    1-3歳:6 mg NE/日、4-8歳:8 mg NE/日、9-13歳:12 mg NE/日、14-18歳:16 mg NE/日。

薬物相互作用

  1. 抗凝固薬/抗血小板薬: 出血リスクを増加させる可能性があります。
  2. カルバマゼピン(Tegretol): 血中濃度および副作用を増加させる可能性があります。
  3. プライミドン(Mysoline): 血中濃度および副作用を増加させる可能性があります。

作用機序

  • 一般:
    ナイアシンアミドは、酸化還元反応、ATP合成、ADPリボース転移反応に必要な補酵素であるNADおよびNADPの前駆体です。これらはエネルギー代謝や細胞修復に関与します。

  • 抗炎症作用: ナイアシンアミドは、一酸化窒素合成酵素の誘導を抑制し、炎症を軽減する可能性があります。

  • 皮膚効果: ナイアシンアミドは、メラニンの生成や移動を抑制し、色素沈着を軽減する可能性があります。

  • 血管作用: ナイアシンとは異なり、ナイアシンアミドは血管拡張作用がないため、フラッシングを引き起こしません。


重要な注意事項

  • 高用量の使用には医師の指導が必要です。
  • 局所使用においても、皮膚刺激が見られる場合は中止してください。

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