ファイヤーウィード (Fireweed)

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学名
Epilobium angustifolium(別名: Chamaenerion angustifolium, Chamerion angustifolium
科名
アカバナ科(Onagraceae)


概要

ファイヤーウィードは多年草で、北半球の温帯地域、特にアメリカ北部やカナダに広く生息する草本植物です。この植物はウィローハーブ(Willow Herb)と呼ばれることもありますが、他のEpilobium種とは異なります。ファイヤーウィードの根や地上部分は、伝統的な中国医学でも利用されてきました。


利用される理由

経口

  • 偏頭痛、不眠症、慢性疾患による貧血、感染症、せん妄、風邪
  • 消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、胃炎、癌、固形腫瘍、創傷治癒、尿道症候群、良性前立腺肥大症(BPH)

外用

  • 収斂剤およびトニックとして、火傷、発疹、静脈性下腿潰瘍、褥瘡、アトピー性皮膚炎(湿疹)
  • 耳、鼻、喉の炎症

安全性

  • 妊娠・授乳中: 安全性に関する十分な信頼できる情報が不足しているため、使用は避けてください。

副作用

  • 一般的な副作用は報告されていませんが、安全性に関する詳細な研究は行われていません。

効果

良性前立腺肥大症(BPH)

  • 初期臨床研究によれば、oenothein Bを15%以上含むファイヤーウィードエキスを1日500mg、6か月間服用すると、排尿後残尿量や夜間頻尿が減少し、国際前立腺症状スコア(IPSS)が改善する可能性があります。ただし、前立腺の容積に変化は見られませんでした。

その他の用途
これらの用途については、さらなる証拠が必要です。


投与量と使用方法

  • 成人(経口)
    研究は限られており、標準的な投与量の情報はありません。

相互作用

  • 薬物との相互作用: 既知の相互作用はありません。
  • サプリメントとの相互作用: 既知の相互作用はありません。
  • 疾患との相互作用: 既知の相互作用はありません。

作用機序

主要成分
ファイヤーウィードには、ポリフェノール(フラボノールやフラボノイド)、有機酸、フェノール酸、タンニンが含まれます。その中でも、主成分であるoenothein Bが多くの臨床効果に関与していると考えられます。

  • 鎮痛作用: 動物実験で鎮痛効果が確認されています。
  • 抗がん作用: 前立腺癌や星細胞腫細胞の成長を抑制し、アポトーシスを誘導します。
  • 抗糖尿病作用: 糖尿病モデルのラットで、血糖値を低下させ、酸化ストレスを軽減し、インスリンレベルを上昇させました。
  • 抗炎症作用: oenothein Bが炎症細胞の活性化と炎症性メディエーターの生成を抑制します。
  • 抗菌・抗真菌作用: ヘリコバクター・ピロリや黄色ブドウ球菌に対する効果が報告されています。
  • 抗ウイルス作用: oenothein Bが単純ヘルペスウイルスやインフルエンザウイルスに効果を示します。
  • 前立腺への作用: 前立腺の酸化ストレスを軽減し、5-α還元酵素を阻害することで、良性前立腺肥大症(BPH)に対する効果が示唆されています。

分類

  • 5-アルファ還元酵素阻害剤

References

See Monograph References


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