ホルデニン (Hordenine)
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学名:
N,N-dimethyltyramine
科名:
なし
概要
ホルデニンは自然に存在するアルカロイドで、構造的にチラミン、N-メチルチラミン、シネフリンと類似しています。また、エピネフリンやエフェドリンとも関連があります。ホルデニンは1894年にサボテン種のAriocarpus fissuratusから初めて分離され、その後1906年に発芽した大麦からも発見されました。名前の由来は大麦(学名:Hordeum vulgare)で、発芽時に根で形成されます。この成分は一部の藻類、サボテン、草類にも見られます。また、ビターオレンジに微量含まれる成分でもあります。ホルデニンは、運動能力向上や肥満のための栄養補助食品として使用されることがあります。
安全性
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可能性がある危険性(POSSIBLY UNSAFE):
経口で使用される場合、ホルデニンは刺激作用を持つN-メチルチラミンやシネフリンと構造的に類似しているため、理論的には同様の刺激作用(例:頻脈や高血圧)を引き起こす可能性があります。しかし、動物研究ではホルデニンの経口生体利用率が低いことが示されており、刺激作用は高用量または静脈内投与でのみ見られる可能性があります。 -
妊娠および授乳中:
信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。
副作用
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一般的な副作用:
人間での安全性に関する臨床研究は行われていません。ただし、ホルデニンは理論的に頻脈や高血圧などの刺激関連の副作用を引き起こす可能性があります。
効果
信頼できる情報が不足しており、効果は明確ではありません。
投与量と使用方法
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成人:
研究が限られているため、標準的な投与量は利用できません。
薬物との相互作用
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CYP2D6基質との相互作用:
ホルデニンはCYP2D6酵素を弱く阻害します。理論的には、CYP2D6基質の薬剤濃度を上昇させる可能性があります。 -
モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOIs)との相互作用:
ホルデニンはモノアミン酸化酵素Bの選択的基質です。MAOIsとの併用は血圧の上昇や高血圧危機を引き起こす可能性があります。 -
刺激作用を持つ薬剤:
刺激作用を持つ薬剤(例:エフェドリン、カフェイン)と併用すると、高血圧やその他の心血管系の副作用リスクが増加する可能性があります。
作用機序
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一般的な作用:
ホルデニンは大麦の根で生成される成分です。また、藻類やサボテンなどにも含まれます。 -
抗菌作用:
一部の細菌において、「クオラムセンシング」と呼ばれる遺伝子発現調節経路を阻害する可能性があります。 -
心血管作用:
ノルエピネフリンの再取り込みを阻害し、一部の組織でノルエピネフリンの放出を促進する可能性があります。動物研究では、高用量で心拍数や血圧が一時的に上昇することが確認されています。 -
皮膚作用:
メラニン生成を抑制することで脱色効果を持つ可能性があります。 -
消化器系作用:
ガストリンの分泌を刺激し、胃酸分泌を増加させる可能性があります。 -
呼吸器系作用:
動物研究では、静脈内投与により呼吸数が増加する一方、経口投与ではそのような効果は見られませんでした。
結論
ホルデニンは運動能力向上や肥満対策を目的とするサプリメント成分として利用されることがありますが、安全性および効果に関する十分な研究が不足しています。そのため、使用には慎重な検討が必要です。
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- Tags: サプリメント