フォーティ(Fo-Ti / 何首烏)

Posted by リンクプロ on

学名

Polygonum multiflorum
: タデ科(Polygonaceae)


注意事項

  • フォーティは時に「中国のタデ」(Chinese Knotweed) とも呼ばれますが、「タデ」(Knotweed) や「胡張」(Hu Zhang; 日本のタデ) とは異なります。

概要

フォーティは東アジアと一部の北アメリカに自生するつる性植物の根であり、伝統的な中国医学で広く使用されてきました。中国薬典にも公式に記載されています。


安全性

  • 可能性のある危険性:

    • 経口使用時: フォーティは肝障害のリスクがあり、多数の事例が報告されています。
    • 妊娠中および授乳中: 使用は避けるべきです。フォーティにはアントラキノン成分が含まれており、刺激性下剤として作用する可能性があります。また、母乳に移行して乳児に影響を与える可能性があります。
  • 子ども: 経口使用は危険の可能性があります。肝障害を引き起こすリスクがあるとされています。


副作用

  • 一般的な副作用:

    • 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐(特に未加工のフォーティを使用した場合)。
  • 重篤な副作用:

    • 肝毒性(加工済み・未加工に関わらず発生する可能性あり)。

有効性

信頼できる科学的証拠が不足しているため、効果は評価できません。

  • 主な関心分野:
    • 老化防止、脱毛症(円形脱毛症や男性型脱毛症)、心血管疾患、脂質異常症、アルツハイマー病、抗炎症作用、肝保護効果など。
    • ただし、これらに対するフォーティの有効性について、十分な証拠は得られていません。

用量と使用方法

  • 成人:

    • 中国薬典によると、伝統的な推奨量は1日あたり3~12グラム(生のエキス3~6グラム、加工エキス6~12グラム)。
    • ただし、臨床研究での十分な証拠がなく、一般的な用量は明確ではありません。
  • 調製方法:

    • 未加工の「白フォーティ」(White Fo-Ti) と加工された「赤フォーティ」(Red Fo-Ti) があり、伝統的な方法では黒豆液で煮込む工程が含まれます。

薬物相互作用

  • 主な相互作用:
    • 抗糖尿病薬: 低血糖のリスクを増加させる可能性あり。
    • 肝毒性薬剤: 肝障害リスクを増加させる可能性あり。
    • ホルモン関連薬: エストロゲン受容体との競合により、効果を減弱させる可能性あり。
    • その他の相互作用: ワルファリン、利尿薬、デジタリス製剤など。

メカニズム

  • 抗酸化作用: フォーティには、フリーラジカルを除去する抗酸化物質が含まれています。
  • 肝保護作用: 一部の成分が肝臓の酵素活性を調節し、肝機能を改善する可能性があります。
  • 抗炎症作用: プロ炎症因子(NF-κB、COX-2など)の発現を抑制することが示されています。
  • その他の効果: 抗老化、血管拡張、免疫調節、コレステロール低下、脱毛症の改善。

中毒と過剰摂取

  • 症状: 肝障害(黄疸、倦怠感、食欲不振、腹痛、暗色尿など)。
  • 治療: 使用中止と支持療法が主な対応策です。肝障害の症状は、通常、使用を中止して1か月以内に改善すると報告されています。

注意事項

フォーティの使用には慎重なリスク評価が必要です。特に、肝障害のリスクが高いため、健康上の懸念がある場合は医療専門家に相談してください。


Share this post



← Older Post Newer Post →