オスタリン (Ostarine)

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学名
Ostarine

科名
該当なし


概要

オスタリンは、経口で使用される非ステロイド系の選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)です (98834,98839)。


警告

  • オスタリンは治験薬であり、米国食品医薬品局(FDA)による承認をまだ受けていません。そのため、オスタリンは栄養補助食品の成分として法的に許可されていません。しかし、オスタリンを含む栄養補助食品は市場に存在しています (98840)。
  • 2017年、FDAはオスタリンや他のSARMを含む製品を販売するメーカーに警告を発し、これらの製品が肝毒性や心筋梗塞、脳卒中のリスク増加に関連していると報告しました (94879,94880,94881)。
  • オスタリンは、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)や米国大学体育協会(NCAA)の禁止物質リストにも含まれています (94829,94833,94834,98841)。血液、毛髪、尿検査で使用が検出される可能性があります (111382,111383)。

安全性

  • 可能性として安全性が低い
    経口摂取の場合、オスタリンは臨床研究で1〜3 mgを12〜16週間使用した際、医療監督下でほとんどの患者において安全性が確認されていますが (98832,98833)、肝毒性や心筋梗塞、脳卒中のリスクが懸念されています (98840,106197)。長期的な安全性研究は行われていません (98840)。

  • 妊娠・授乳中
    信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。


副作用

一般的な副作用
経口摂取の場合、オスタリンは安全性に問題がある可能性があります。

  • 主な副作用

    • 腹痛
    • 食欲不振
    • 便秘
    • 下痢
    • 吐き気
    • 一過性のALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)値の上昇
  • 稀な深刻な副作用

    • 肝毒性

効果

信頼できる証拠が不足している用途

  1. 運動能力の向上: 運動能力向上のためのオスタリンの使用については、十分な臨床情報がありません。
  2. 乳がん: 乳がん治療のための使用に関する情報は不足しています。
  3. 悪液質: がん患者の悪液質に対する効果は不明です。
  4. 筋ジストロフィー: 筋ジストロフィーの治療に関する臨床情報は不足しています。
  5. サルコペニア: 高齢者のサルコペニアに対する効果は不明です。

さらなる研究が必要です。


用法と用量

成人

  • 経口: オスタリンは通常、1日3 mgを12〜16週間使用します。

標準化と製剤化

  • オスタリンは米国では栄養補助食品として法的に許可されていませんが、インターネットで購入可能な製品が存在します。これらの製品の多くはラベル表示よりも低い量のオスタリンを含み、一部にはタモキシフェンや他のSARMsなど、未記載の成分が含まれていることが報告されています (98836,98837)。

相互作用

薬物との相互作用

  1. CYP2C9基質薬: 理論的には、CYP2C9で代謝される薬物の濃度を増加させる可能性がありますが、臨床的には重要ではないと考えられています。
  2. CYP3A4誘導薬: オスタリンの効果を低下させる可能性があります。
  3. CYP3A4阻害薬: オスタリンの効果と副作用を増加させる可能性がありますが、重要性は低いとされています。
  4. 肝毒性のある薬物: 同時使用で肝毒性リスクが増加する可能性があります。

サプリメントとの相互作用

  • 肝毒性のあるハーブやサプリメントとの併用は避けるべきです。

薬物動態

  1. 吸収: オスタリンは経口で迅速に吸収され、約1時間で血漿濃度のピークに達します (98834)。
  2. 代謝: UGT2B7によるグルクロン酸抱合を主に受け、CYP3A4による酸化も受けます。
  3. 排泄: 半減期は21〜24時間で、主にグルクロン酸抱合体として胆汁排泄されますが、一部は尿中にも排泄されます (111382,111383)。

作用機序

オスタリンは選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)で、筋肉増強や骨密度向上の効果があるとされています。ただし、プロステートなどの他のアンドロゲン感受性組織への影響については議論の余地があります。


クラス分類
肝毒性物質

References

See Monograph References


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