ヨーロッパヤドリギ(European mistletoe)

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学名
Viscum album


ヤドリギ科 (Viscaceae)


注意事項

ヨーロッパヤドリギは、似た名前を持つアメリカヤドリギ(American Mistletoe)と混同しないよう注意してください。


概要

ヨーロッパヤドリギは寄生植物で、広葉樹、果樹、針葉樹などのさまざまな木に寄生します。この植物はヨーロッパ、北西アフリカ、南および中央アジアに分布しています。


安全性

  • 適切に使用した場合
    ヨーロッパヤドリギ抽出物は、経口、皮下注射、または静脈注射で適切に使用されれば「おそらく安全」とされています。ただし、治療の範囲は狭く、高用量は安全ではありません。

  • 高用量の場合
    ヨーロッパヤドリギの実や葉を高用量で摂取すると、けいれん、徐脈、低血圧、さらには死に至る可能性があります。3つ以上の実または2枚以上の葉を摂取しないよう指導する必要があります。

  • 妊娠中・授乳中
    妊娠中は経口または皮下注射での使用は「おそらく安全ではない」とされ、流産のリスクがあります。授乳中の安全性については十分な情報がないため、使用を避けるべきです。


副作用

一般的な副作用

  • 経口摂取では少量であれば耐容性があることが多いですが、高用量では下痢、腹痛、嘔吐を引き起こす可能性があります。
  • 注射では、悪寒、頭痛、倦怠感、吐き気、注射部位の炎症などが報告されています。

重篤な副作用(まれ)

  • 経口摂取で肝炎、けいれん、昏睡、死亡が報告されています。
  • 注射では、注射部位の壊死、アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応が発生する場合があります。

効果

おそらく効果がない

  • 頭頸部がん:皮下注射によるヨーロッパヤドリギ抽出物は、患者の生存率を改善しないとされています。

信頼できる十分な証拠がない

  • がん関連の疲労や生活の質改善:小規模で質の低い研究では、がん患者の生活の質や疲労を改善する可能性が示唆されていますが、証拠は不十分です。
  • 特定のがん(膀胱がん、乳がん、大腸がんなど):がん治療の補助療法としての効果については不明です。

用法・投与量

  • 成人
    皮下注射、胸腔内注射、腫瘍内注射、膀胱内注射などで使用されます。具体的な投与量は使用する抽出物や治療対象によって異なります。

  • 子供
    研究が限られているため、標準的な投与量の情報はありません。


相互作用

  • 降圧薬との相互作用
    併用により低血圧のリスクが増加する可能性があります。
  • 免疫抑制剤との相互作用
    免疫抑制剤の効果を減少させる可能性が理論的に考えられます。

作用機序

一般的な成分
ヤドリギの実、葉、茎が使用されます。抽出物には、レクチン(ML-Iなど)、ビスコトキシン、アルカロイド、モノテルペングルコシドが含まれます。

抗がん作用

  • ヨーロッパヤドリギは、免疫システムを刺激する生物学的応答修飾物質として作用する可能性があります。
  • 白血球の分泌促進やサイトカイン(IL-1、IL-2など)の増加を引き起こすことが確認されています。

心血管系作用

  • ヨーロッパヤドリギは血管平滑筋の弛緩作用を持つ可能性があります。

免疫調節作用

  • ヨーロッパヤドリギは、免疫システムを刺激する一方で、長期使用では免疫応答を鈍化させる可能性があります。

注意

使用前に医療専門家に相談してください。

References

See Monograph References


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