学名
Euphorbia hirta (シノニム: Chamaesyce hirta)
科名
トウダイグサ科 (Euphorbiaceae)
注意
ユーフォルビア・ヒルタ は Cypress Spurge とは異なる種です。
概要
ユーフォルビア・ヒルタはインドやオーストラリア原産の植物で、伝統的に医薬品として使用されてきました。
用途
ユーフォルビア・ヒルタは、以下のような疾患や症状に経口で使用されています:
- 呼吸器疾患(喘息、気管支炎、喉頭痙攣、花粉症)
- デング熱
- 腎臓結石
- 傷の治癒
- 胃食道逆流症(GERD)
- 消化性潰瘍
- 腫瘍
また、去痰薬や催吐薬としても使用されます。インドでは、寄生虫、赤痢、淋病、消化器系の問題にも用いられています。
安全性
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妊娠・授乳中
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危険の可能性あり:経口使用は避けてください。ユーフォルビア・ヒルタは平滑筋の収縮や弛緩を引き起こすと報告されています。
副作用
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一般的な副作用
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経口:吐き気、嘔吐
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外用:新鮮なユーフォルビア・ヒルタとの皮膚接触により、刺激や接触性皮膚炎が発生する可能性があります。
効果と適応症
信頼できる情報が不足しているため、効果に関する評価は不十分です。
用法と投与
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成人
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伝統的な使用方法
- 地上部を120~300mg、150mLの沸騰したお湯に浸し、5~10分間抽出してから濾してお茶として摂取。
- 地上部2gを去痰薬として使用。
作用機序
ユーフォルビア・ヒルタの有効部分は地上部です。この植物にはトリテルペン、タンニン、脂肪酸、フラボノイドが含まれています。また、以下の成分が含まれます:
- ケンフェロール、クエルセチン、安息香酸、ルチン、スクアレン
- ミリスチン酸、エチルリノレート、エチルパルミテート、メチルリノレート
主な作用:
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抗がん作用
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2,3-dihydro-3,5-dihydroxy-6-methyl-4H-pyran-4-oneという成分が抗がん作用を持つと考えられています。
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In vitro(試験管内実験)では、一部のがん細胞に対する細胞毒性が確認されています。
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抗炎症作用
- マウスを用いた研究で、25~200mg/kgの経口摂取により炎症を抑制することが示されています。
- 炎症性サイトカイン(インターフェロン-γ、IL-2、TNF-α)のレベルを低下させ、抗炎症性サイトカイン(IL-4、IL-5)を増加させることが確認されています。
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抗菌作用
- 伝統的に消化器感染症に使用され、動物実験でグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対する抗菌活性が確認されています。
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抗酸化作用
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In vitro でフリーラジカル除去活性を示しています。
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鎮痙作用
- 動物実験で鎮痙作用が確認されており、喘息や気管支炎、消化器系の問題に伝統的に使用されています。
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消化器作用
- 下痢と便秘の両方に効果がある可能性が示されています。
- 高用量での下痢抑制効果(カルシウムチャネル拮抗作用)や便秘改善効果(ムスカリン作用)が動物研究で確認されています。
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免疫作用
- デング熱に伝統的に使用されており、血小板数を増加させる効果が示されています。
その他
信頼できる情報が不足しているため、毒性、相互作用、および標準化に関するデータは限られています。ユーフォルビア・ヒルタを使用する場合は、特に妊娠中や授乳中には注意が必要です。