ユーカリ(Eucalyptus)
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科学名
- Eucalyptus globulus
- Eucalyptus bicostata
- Eucalyptus camaldulensis など
科
フトモモ科(Myrtaceae)
概要
ユーカリはオーストラリアを原産とする開花樹木と低木の属であり、アボリジニの伝統医療で使用されてきました。現在では、熱帯や亜熱帯地域でも栽培されています。ユーカリの葉から蒸留されたユーカリ油は食品や香料として使用されており、食品添加物として「一般的に安全(GRAS)」と認識されています。
安全性
- おそらく安全: ユーカリ油に含まれる成分ユーカリプトールは、適切に経口摂取する場合、安全性が示唆されています(最長12週間の使用が可能)。
- おそらく不安全: ユーカリ油を未希釈で経口摂取した場合、毒性が確認されています。成人で3.5mLの摂取が致命的になる可能性があります。
- 幼児および小児: 未希釈のユーカリ油の使用は危険であり、経口摂取や皮膚への塗布で神経毒性を引き起こす可能性があります。
妊娠・授乳中
食品中の量では安全とされていますが、薬用量での安全性については信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。
副作用
-
一般的な副作用:
- 経口摂取: 下痢、吐き気、嘔吐。
- 局所塗布: 灼熱感、かゆみ、赤み、刺すような痛み。
-
深刻な副作用(まれ):
- 未希釈油の経口摂取: 中枢神経抑制、呼吸の浅さ、急速な脈拍、無呼吸、昏睡、死亡など。
- 長時間の局所曝露: 動揺、不安定な歩行、言語障害、筋力低下、けいれんなど。
- 吸入: けいれん。
有効性
信頼できる証拠が不十分なもの
- 喘息: ユーカリ油の成分ユーカリプトールには、ステロイドの使用量を減らす効果がある可能性が示唆されています。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD): ユーカリプトールが安定したCOPD患者の急性増悪を軽減する可能性があります。
- 歯垢・歯周炎: ユーカリエキスを含むチューインガムの使用で改善が示唆されています。
- 虫刺され予防: ユーカリ油には虫よけ効果がある可能性があります。
- 抗炎症作用: ユーカリプトールが痛みを媒介するアラキドン酸代謝産物の産生を抑制する可能性があります。
さらなる研究が必要です。
用法・用量
成人
- ユーカリプトール: 一般的には1日200mgを3回、最大3週間使用。
- 局所使用: 希釈されたユーカリ油またはユーカリエキス入り製品を使用。
小児
- 安全性と有効性に関するデータは限られており、一般的な推奨用量はありません。
薬物との相互作用
- アンフェタミン: ユーカリプトールがアンフェタミンの効果を減弱させる可能性。
- 抗糖尿病薬: ユーカリ葉が低血糖のリスクを高める可能性。
- CYP450酵素(1A2、2C9、2C19、3A4)基質: ユーカリがこれらの基質の血中濃度を上昇させる可能性。
- ペントバルビタール: ユーカリプトールがペントバルビタールの効果を減少させる可能性。
作用機序
- 抗炎症作用: ユーカリプトールは、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1β、ロイコトリエンB4など)の産生を抑制します。
- 抗菌作用: ユーカリ葉の抽出物には抗菌・抗真菌作用があることが示されています。
- 抗ウイルス作用: HSV-1およびHSV-2に対して抗ウイルス作用を示す成分を含みます。
- 低血糖作用: 筋肉でのグルコースの取り込みを促進する可能性があります。
- 免疫調節作用: 高用量では免疫細胞の機能を抑制する可能性があります。
注意点
ユーカリの使用は、適切な濃度と用法を守ることが重要です。特に未希釈のユーカリ油の使用は避けてください。医師や専門家に相談することをお勧めします。
References
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- Tags: サプリメント