モノラウリン (Monolaurin)

Posted by リンクプロ on

学名

モノラウリン (Monolaurin)


概要

モノラウリンは脂肪酸エステルで、ラウリン酸のモノグリセリド誘導体です。脂質代謝の産物として血中に自然に存在し、ココナッツオイルや母乳にも含まれています (14115,103601)。商業的には界面活性剤として使用されています (14110)。


使用目的

  • 経口: モノラウリンは、風邪、インフルエンザ、帯状疱疹(ヘルペス)、慢性疲労症候群(CFS)の治療や、免疫機能の向上を目的に使用されます。
  • 外用: 細菌性膣炎に使用されます。
  • 食品: アイスクリーム、マーガリン、スパゲッティの製造に使用されます。
  • 製造業: 化粧品、洗剤、殺虫剤の製造に使用されます。

安全性

  • おそらく安全
    食品中に一般的に含まれる量で経口摂取する場合、モノラウリンは安全です。米国では「一般に安全と認められる (GRAS)」ステータスを持っています (7705)。

  • 十分な信頼できる情報がない
    薬用量で経口または外用使用する場合の安全性については、信頼できる十分な情報がありません。

  • 妊娠および授乳中
    食品中の一般的な量での使用は安全と考えられますが (7705)、薬用量での使用についての情報は不足しています。


副作用

  • 一般的な副作用
    報告された副作用はありませんが、安全性に関する徹底的な評価は行われていません。

有効性

  • 十分な信頼できる情報がない
    • 細菌性膣炎: 初期の臨床研究では、モノラウリン5%ゲルを閉経前女性に3日間、1日2回膣に適用しても、プラセボゲルと比較して臨床的な治癒率が改善しないことが示されています (103602)。

投与と管理

  • 成人
    標準的な用量情報はありません。

相互作用

  • 薬物との相互作用: 知られていません。
  • サプリメントとの相互作用: 知られていません。
  • 疾患との相互作用: 知られていません。
  • 検査との相互作用: 知られていません。

過剰摂取

モノラウリンの毒性に関する信頼できる情報はありません。


薬物動態

  • 吸収: モノラウリンは外用として使用した場合、全身に吸収されることがあります。例えば、280 mcg/mLのモノラウリンを含むココナッツオイルを未熟児の皮膚に1日2回、2週間適用すると、血漿中の濃度が50 ng/mLから100〜200 ng/mLに増加します (103601)。

作用機序

  • 一般: モノラウリンはラウリン酸のモノグリセリド誘導体で、血漿中に自然に存在します。また、ココナッツオイルや母乳にも含まれています (14115,103601)。

  • 抗菌活性: 初期研究では、モノラウリンがグラム陽性菌(例: 黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌)の成長を阻害することが示されています。また、細菌の外毒素(毒素性ショック症候群毒素-1やエンテロトキシン)の生成を抑制することがわかっています (14112,14113,103601)。
    一方で、細菌リパーゼがモノラウリンを無効化する可能性も示唆されています (14114)。

  • 抗ウイルス活性: モノラウリンは、ライノウイルスやサイトメガロウイルスに対して抗ウイルス活性を示します (14115)。

  • 抗真菌活性: カンジダ菌に対しても活性を示しています (103601)。

  • 免疫系への影響: 初期研究では、モノラウリンがT細胞の増殖を促進し、免疫系を刺激する可能性が示されています (14110)。


モノラウリンは、抗菌・抗ウイルス活性を持つ可能性があり、免疫系の改善に関心が持たれていますが、臨床的有効性や安全性についてはさらなる研究が必要です。

References

See Monograph References

 


Share this post



← Older Post Newer Post →