フェーズオラス・ブルガリス(Phaseolus Vulgaris)

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学名

Phaseolus vulgaris; Phaseolus vulgaris 種

マメ科(Fabaceae/Leguminosae)


概要

フェーズオラス・ブルガリス(Phaseolus vulgaris)は、メキシコ、中米、および南米の一部を原産とする穀物豆類の一種です。この豆は、タンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルを豊富に含むことから、世界中で最も一般的に消費される豆類です【91979】。代表的な種類には、黒豆、インゲン豆、キドニービーンズ(赤インゲン豆)、ピントビーンズなどがあります。


安全性

  • 可能性として安全
    経口で適切に使用した場合、多くの研究で特定のフェーズオラス・ブルガリス(白インゲン豆)抽出物(商品名: Phase 2, Pharmachem Labs)が評価され、1日最大3グラムを2~3か月間摂取しても安全であることが示されています【12186,15518,26157,29926】。その他の抽出物も、1日0.9~2.4グラムを最大3か月間使用して安全であるとされています【10633,104875】。

  • 可能性として不安全
    生のフェーズオラス・ブルガリスの莢を大量に摂取すると不安全です。生の莢にはレクチンが含まれており、これが消化器系の不調を引き起こす可能性があります。調理によってレクチンは破壊されます【18】。

  • 妊娠・授乳中
    信頼できる情報が不十分なため、使用は避けてください。


副作用

  • 一般的な副作用
    経口で摂取した場合、フェーズオラス・ブルガリス抽出物は一般的に耐容性が良好です。

  • よく見られる副作用
    便秘、下痢、腹部膨満感、吐き気、腹痛、嘔吐。

  • 稀な重篤な副作用
    アレルギー反応(過敏症反応)やアナフィラキシーなど。


有効性

  • 可能性として有効
    肥満:経口でフェーズオラス・ブルガリス抽出物を摂取すると、過体重または肥満の成人の体重やウエストサイズを減少させる可能性があります。

  • 信頼性のあるエビデンスが不足している場合
    以下の条件に対する有効性は不明です:

    • 大腸がんの再発予防
    • 糖尿病(2型糖尿病における食後血糖値の改善)
    • 高コレステロール血症(他の成分との併用のみ評価済み)
    • 腎結石
    • 肺がんの予防

さらなる研究が必要です。


投与量と使用方法

  • 成人
    フェーズオラス・ブルガリス抽出物は通常、1日800~1000mgを2~3回に分けて、最大12週間使用されます。多くの抽出物は白インゲン豆の品種から作られています。

  • 注意
    フェーズオラス・ブルガリスにはフィチン酸が含まれており、これは非ヘム鉄の吸収を減少させる可能性があります【93079】。


標準化と製剤

特定のフェーズオラス・ブルガリス(白インゲン豆)抽出物(Phase 2, Pharmachem Labs)は、3000単位以上のα-アミラーゼ阻害活性を含むよう標準化されています【15518,26156】。


薬剤との相互作用

  1. 糖尿病治療薬
  • 相互作用の評価:中程度の注意が必要
  • 重篤度:中程度
  • フェーズオラス・ブルガリスが抗糖尿病薬と一緒に摂取されると、低血糖のリスクが増加する可能性があります。

サプリメントとの相互作用

  1. 低血糖を引き起こす可能性のあるハーブやサプリメント
    フェーズオラス・ブルガリスは低血糖作用を持つ可能性があります。


  2. フェーズオラス・ブルガリスは鉄の吸収を妨げる可能性があります。


過剰摂取

フェーズオラス・ブルガリスの過剰摂取に関する信頼できる情報は不足しています。


作用機序

  • 一般的な情報
    フェーズオラス・ブルガリスの有効部分は豆および一部の品種では莢です。豆にはα-アミラーゼ阻害剤であるフェーゾラミンが含まれています【29924】。

  • 抗菌作用
    黒豆抽出物は特定の細菌(例:黄色ブドウ球菌、リステリア菌)に対して殺菌効果を示します。

  • 抗がん作用
    レクチンは腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを促進する可能性があります。

  • 抗糖尿病作用
    フェーゾラミンはα-アミラーゼを阻害し、デンプンの分解を抑制します。

  • 抗酸化作用
    ポッド抽出物は酸化ストレスを減少させ、抗酸化酵素を増加させます。

  • 寄生虫抑制作用
    ジアルジアやアメーバ原虫などに対する成長抑制効果があります。

  • 抗ウイルス作用
    レクチンはHIVなどのウイルスの複製を抑制する可能性があります。

  • 骨への影響
    閉経後骨粗鬆症の治療候補として期待されています。

  • 減量効果
    カロリー摂取を抑え、グレリン分泌を抑制する可能性があります。


フェーズオラス・ブルガリスは栄養価が高く、多くの潜在的な健康効果がありますが、一部の使用についてはさらなる研究が必要です。

References

See Monograph References

 


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