パパイン(Papain)

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注意事項:
パパインはパパイヤから抽出された酵素です。パパイヤ(果物)や、パパイヤに似た果物であるアメリカンポーポー(American Pawpaw)と混同しないでください。また、パパインは、他のタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)とも異なります。


その他の一般的な名称

(省略)


概要

パパインは、パパイヤ(Carica papaya)の果実ラテックスに含まれる酵素です。これはシステインプロテイナーゼ群に属し、キモパパイン、カリカイン、ブロメライン、アクチニジン、フィシン、アレウライン、およびリソソームカテプシン(B、H、L、S、C、K)などが含まれます(67847,67849,67851,67852,67853)。


安全性

  • ほぼ安全:食品に一般的に含まれる量で経口摂取する場合。アメリカでは、GRAS(一般に安全と認められる物質)として認定されています(4912)。
  • おそらく安全:短期間で適切な用法用量で経口摂取または局所使用する場合。プロテアーゼとの組み合わせで1日最大1200 mgの用量が9週間まで使用されています(964,965,968,67831,67834)。
  • おそらく危険:大量のパパインを経口摂取する場合。過剰摂取は食道穿孔などの重大な副作用を引き起こす可能性があります(6)。また、未処理のパパインまたはパパイヤラテックスを局所使用すると、強い刺激性や水疱形成を引き起こします(6)。
  • 妊娠中:経口摂取する場合はおそらく危険です。未処理のパパインが催奇形性や胎児毒性を持つ可能性があります(6)。
  • 授乳中:信頼できる情報が不足しているため、使用は避けてください。

副作用

  • 一般的な副作用: パパインは、短期間で適切な用量で使用する場合、経口および局所的に良好に耐えられるようです。しかし、高用量での経口摂取は危険な場合があります。
  • 最も一般的な副作用:
    • 経口摂取: アレルギー反応(感受性の高い人で発生)。
    • 局所使用: 蕁麻疹(じんましん)および掻痒感(かゆみ)。
  • 重大な副作用(稀):
    • 経口摂取: 食道穿孔や重度の胃炎(高用量の場合)。

有効性

パパインの有効性については、信頼できる十分な情報がありません。

主な用途

  • がん: 経口摂取でがん治療を目的とした使用が注目されていますが、臨床効果に関する信頼できる情報は不十分です。
  • 虫歯: トピカルジェル(局所適用)の効果は不明です。
  • 糖尿病性足潰瘍: トピカルパパインの使用が注目されていますが、臨床効果に関する情報は不十分です。
  • 運動誘発性筋肉痛: パパイン単体の効果は明らかではありません。
  • 帯状疱疹(ヘルペスゾスター): 経口摂取での効果は不明です。
  • 虫刺され: トピカルパパインの効果は不明です。
  • 腸内寄生虫感染症: 経口摂取での効果は不明です。
  • クラゲ刺傷: トピカルパパインの効果は不明です。
  • 褥瘡(床ずれ): トピカルパパインの効果は不明です。
  • 放射線皮膚炎: パパイン単体での効果は不明です。
  • その他の用途: より多くの研究が必要です。

用法および投与量

  • 成人:
    経口摂取での単独使用の研究は限られており、標準的な用量情報はありません。他の成分と組み合わせた場合、1日1200 mg(分割投与)で最大10週間使用されています。
  • 子供:
    トピカル使用に関する研究は限られており、標準的な用量情報はありません。

薬物との相互作用

  • ワルファリン(Coumadin):
    パパインがワルファリンの効果や副作用を増強する可能性があります。注意が必要です。

過剰摂取

パパインの過剰摂取の症状や治療法については、信頼できる情報が不足しています。


作用機序

  • パパインはパパイヤ果実のラテックスに含まれる酵素で、未熟なパパイヤに多く存在します。パパインはシステインプロテイナーゼ群の一部であり、他のプロテアーゼと類似の作用を持ちます。

  • 皮膚効果: トピカルパパインは、皮膚のタンパク質分解を促進し、乾燥肌を改善する可能性があります。

  • 免疫調節効果: 複数の酵素を含む製剤(例:Wobenzym)は、腫瘍壊死因子(TNF)やインターロイキン(IL)を誘導し、酸化ストレス反応を引き起こします。

  • 創傷治癒効果: パパインは、創傷のデブリードマン(壊死組織除去)を助ける可能性があります。


分類:
酵素、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)

References

See Monograph References


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