学名
Alcea rosea (シノニム: Althaea rosea, Althaea ficifolia)
科名
アオイ科 (Malvaceae)
概要
タチアオイは、世界中の温帯および熱帯地域で育つ植物です。主に川岸や塩性湿地で見られます(100719)。
利用用途
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経口で:
- 糖尿病、脂質異常症、腎結石、胃潰瘍、胃炎、消化管出血、がん、痛み、炎症の治療に使用されます。
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外用で:
- アトピー性皮膚炎(湿疹)、褥瘡、静脈性潰瘍、糖尿病性足潰瘍、軽度の出血、創傷治癒、歯肉炎の治療に使用されます。
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ハーブティーとして:
安全性
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妊娠および授乳中: 安全性に関する信頼できる情報が不足しているため、使用は避けてください。
副作用
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一般的な副作用: 現在のところ報告されている副作用はありませんが、安全性に関する徹底的な評価は行われていません。
効果
信頼できる情報が不足しており、タチアオイの有効性については評価されていません。
投与と使用方法
薬物・サプリメントとの相互作用
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糖尿病薬:
- 動物および試験管研究では、タチアオイの花抽出物が血糖値を下げる可能性が示唆されています(100719)。そのため、糖尿病薬との併用により低血糖のリスクが高まる可能性があります。必要に応じて薬剤の用量調整が必要です。
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低血糖作用を持つハーブやサプリメント:
- タチアオイは、血糖値を下げる可能性がある他のハーブやサプリメントと組み合わせた場合、相乗効果が生じる可能性があります。
作用機序
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一般的な作用:
- 適用される部分は種子、根、茎、葉、花です。種子には多糖類が含まれ、茎と葉にはギベレリン配糖体や多糖類が含まれています(100719)。花にはフェノール酸やフラボノイドが含まれています。具体的なフラボノイドとして、アピゲニン、アストラガリン、ジヒドロケンフェロール、トランスチリロシドなどが含まれます。
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抗がん作用:
- 花抽出物の成分であるトランスチリロシドには、肝細胞癌細胞に対する細胞毒性があることが試験管研究で示されています(100718)。メカニズムは不明です。
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抗糖尿病作用:
- マウスモデルでは、花のエタノール抽出物が血糖値の上昇を抑制することが示されています。これには、グルコース代謝や輸送、取り込みに関連するシグナル伝達経路の調節が関与していると考えられます(100719)。
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抗酸化作用:
- 試験管研究では、タチアオイの花の成分であるジヒドロケンフェロールとそのグルコシドが抗酸化作用を持つことが示されています(100718)。
注意事項
タチアオイの使用には十分な情報が不足しており、特に妊娠中や授乳中の使用は避けてください。また、糖尿病薬や低血糖作用を持つハーブとの併用は注意が必要です。
References