一般情報
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学名: Coptis chinensis, Coptis deltoidea, Coptis japonica など
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科名: キンポウゲ科(Ranunculaceae)
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概要: ゴールドスレッドは中国原産の植物で、何世紀にもわたり伝統的な中医学で使用されています。主成分の一つであるアルカロイド「ベルベリン」を含んでいます。
利用方法
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経口で: 消化器系障害、リーシュマニア病、膣トリコモナス症、乾癬の治療に使用されます。
安全性
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成人: 医療用量での使用に関する十分な安全性情報はありません。
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小児: 新生児には危険。ベルベリンは核黄疸を引き起こす可能性があるため、特に未熟児や高ビリルビン血症の新生児での使用は避けるべきです。
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妊娠中: 危険。ベルベリンは胎盤を通過し、胎児に有害となる可能性があります。ゴールドスレッドの摂取は胎児の中枢神経系の奇形リスクを高める可能性があります。
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授乳中: 危険。ベルベリンなどの有害成分が母乳を通じて乳児に移行する可能性があります。
副作用
- 成人における報告された副作用はありませんが、安全性の徹底的な評価は行われていません。
効果の有効性
現時点で、ゴールドスレッドの有効性について信頼できる十分な情報はありません。
推奨される用量
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伝統的な用量:
- 粉末: 0.5~1.2グラムを使用。
- 液体: 1ティースプーンを1カップの水で煮沸し、大さじ1杯を1日3~6回服用。
- チンキ剤: 1回あたり5~10滴を摂取。
標準化と製剤
ゴールドスレッドの標準化に関する信頼できる十分な情報はありません。
薬物相互作用
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シクロスポリン(Neoral, Sandimmune):
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注意が必要: ベルベリンはシクロスポリンの代謝を抑制し、血中濃度を増加させる可能性があります。
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CYP3A4基質薬物:
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注意が必要: ベルベリンはCYP3A4酵素を阻害する可能性があります。これにより、ロバスタチン、クラリスロマイシン、インジナビル、シルデナフィル、トリアゾラムなどの薬物の血中濃度が上昇する可能性があります。
作用機序
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主要成分: 根茎部分が使用され、ベルベリンやその誘導体を含みます。
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抗がん作用:
- 細胞増殖抑制、がん遺伝子発現抑制、血管新生抑制の可能性があります。
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抗炎症作用:
- IL1-βやTNF-αなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する可能性があります。
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抗菌作用:
- グラム陽性菌への作用、シゲラ菌や寄生虫(Blastocystis hominis, Trypanosoma cruzi)に対する活性。
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胃潰瘍治療作用:
- 胃酸分泌を抑制し、その他の抗潰瘍作用も持つ可能性があります。
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心血管保護作用:
- 抗不整脈作用、血糖値やLDLコレステロールの低下効果。
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記憶への影響:
分類
- ベルベリン含有天然成分
- CYP3A4阻害剤
- モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOIs)
注記: ゴールドスレッドの使用を検討する際は、特に妊娠中や授乳中、小児には注意が必要です。また、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。