オクトパミン (Octopamine)
Posted by リンクプロ on
概要
オクトパミンは、動物や人間の体内、またはダイダイ(ビターオレンジ)などの植物に自然に含まれる化学物質です(2040,100081,100089,100094,100097,100100)。しかし、運動能力向上を目的とした製品に含まれるオクトパミンの量は自然界に存在する量を大きく上回ります。これにより、製品に合成オクトパミンが添加されている可能性が懸念されています(100088)。
2019年、米国食品医薬品局(FDA)はオクトパミンを含むサプリメントを避けるよう勧告し、これを「栄養補助食品成分アドバイザリーリスト」に追加しました。このため、サプリメント製品にオクトパミンを含めることは違法と見なされる可能性があります(100104)。また、オクトパミンは世界アンチ・ドーピング機構(WADA)によってアスリートの使用が禁止されています(94386,100088,100097)。
使用目的
オクトパミンは、経口で運動能力向上、体重減少、刺激作用を目的として使用されます。
安全性
-
おそらく安全でない:
オクトパミンは、化学的にシネフリン(刺激作用を持つ成分)と似ており、一部の患者で重篤な副作用を引き起こす可能性があります。カナダ保健省は、オクトパミンが50mg/日以下であれば安全である可能性があるとしていますが(91684)、安全性の臨床評価は実施されていません。 -
妊娠および授乳:
信頼できる情報が不足しているため、使用を避けてください。
副作用
-
一般:
オクトパミンはシネフリンに化学的に類似しており、刺激作用に関連する副作用が懸念されています。-
重大な副作用(まれ):
1例の報告では、オクトパミンを含むスポーツサプリメントを長期間使用した結果、血栓形成や心筋梗塞が生じました(100091)。
-
重大な副作用(まれ):
効果
-
十分な証拠がない:
-
運動能力:
小規模な臨床研究では、オクトパミン150mgを運動の60分前に摂取しても、持久力や運動の負担感を改善しないことが示されています(100089)。
-
運動能力:
さらなる研究が必要です。
用法と投与量
-
成人:
典型的な投与量はありません。
相互作用
-
薬物との相互作用:
- 降圧薬: オクトパミンが血圧を上昇または低下させる可能性があり、降圧薬との併用で効果が変動する可能性があります(100089,11995)。
- モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOIs): MAOIsとの併用により、オクトパミンの効果や副作用が増加する可能性があります(11995,100099)。
- 刺激薬: 他の刺激薬と併用すると、血圧上昇や心血管系の副作用のリスクが増加する可能性があります(94386)。
メカニズム
-
一般:
オクトパミンはノルエピネフリンに関連する化学物質で、チロシンから生成されます(100089,100090,11995)。哺乳類の脳内に微量存在し(総量の1%未満)、神経伝達を微調整する役割を果たしています(11995,100094)。 -
運動能力:
オクトパミンは運動能力向上のために使用されますが、持久力や負担感を改善する証拠はありません(100089)。 -
体重減少:
オクトパミンは、動物の脂肪細胞において脂肪分解を刺激し、インスリンの作用を阻害することで体重減少に寄与する可能性があります(11995,100095)。しかし、ヒト脂肪細胞においては効果が弱く、非常に高濃度でのみ作用します(11995,100081,100095)。 -
神経系:
動物モデルでは、オクトパミンが運動活動や血圧変化に関与する可能性があります(11995)。また、オクトパミンレベルの変動は痛みの閾値に影響を与える可能性があります(100098)。
注意事項
オクトパミンの使用は、特にサプリメントの形態で、安全性と効果に関する十分な情報がないため、注意が必要です。また、WADAによる使用禁止成分である点にも留意してください。
References
See Monograph References
Share this post
- Tags: サプリメント